2005年6月25日

長編小説の楽しみ

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父の日に・・・・ 

少し前になりますが、新潮社主催の「新潮文化講演会」というのが、行われていた
事があります。

約2時間にわたっての、この会には二人の作家が来られて、自著の作品の解説、
そのほか世の中のさまざまな問題など、大体が文学に関する事柄が多かったのですが、
たっぷりと話をされて、大の本好きの私にとりましては夢のような至福のひとときでもありました。

最初は新宿の紀伊国屋ホール?で行われていたようですが、のちに池袋 西武百貨店内に
ありました、小ホールに場所を移したのであります。

その時からは私も毎月欠かさず参加したものであります。

午後6時開演、まず最初の作家の登場です。

参加者は毎回、平均40人ほどで、至って静かな雰囲気の中で、話は始まります。

どういう先生方が出られたかと、今、思い出すままに、記してみますと、高橋治氏
、妹尾河童氏、関川夏央氏、矢作俊彦氏、杉浦日向子さんなどが思い浮かびます。

個性豊かな方々だけに話題も面白く、あっという間の50分間でした。

入場料は500円ですが、帰りには当日の講演者の最新刊の新潮文庫が、プレゼントされます。

なかでも見るからに几帳面な妹尾河童氏など、いただいた文庫本 「河童が覗いたインド」
 の裏扉には、なんとご本人の手書きのサインと捺印が、あらかじめされていたのには、
今でも嬉しくて忘れられません。

そして、普段ではまず読まない作家がいますが、この会に参加していたために、
たくさんの作家にめぐり合い、さまざまなジャンルの作品を、読む機会に恵まれたことは、
これは大きな経験でありました。

そして、10分程の休憩の後、後半は加賀乙彦氏の登場です。

その時は、10回連続、10ヶ月にわたって「長編小説を楽しむ」と題して、講演されました。

毎月一冊の長編小説をとりあげ、約1時間、縦横無尽に解析して、また、ご自身の
主観を交え、世間の評判のあり様を充分に話されるという、誠に楽しい時間を
すごしたものでした。

10ヶ月間に、この講演会の俎上に登った、長編小説は。

スタンダールの「赤と黒」

トルストイの「アンナ・カレーニナ」

トルストイの「カラマーゾフの兄弟」

ロレンスの「チャタレー夫人の恋人」

トルストイの「罪と罰」

フローベルの「ボヴァリー夫人」

トーマスマンの「魔の山」

などのお話が今でも耳に残ります。

これらの作品はすでに読んでいたものが多いだけに、共鳴しながら聞いたものです。

加賀乙彦氏の金縁の目がねごしに見える優しい目、紳士然とした動作と、時には
テーブルに頬づえするような仕草、私と同じクリスチャンだからと、言うわけでも
ありませんが、その洞察の深さ、話のはこび様など、大好きな方であります。

その「新潮文化講演会」も加賀乙彦氏が最後で終ったのは大変に残念なことです。

今となっては懐かしい思い出のひとつであります。


さて、私も大して本を読んでいるわけではありませんが、その僅かな中から記憶に
残る、長編物を含めて、おりを見て、その愛読書をここにご紹介をしたいと思っています。


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