2005年8月18日

今年の月下美人

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毎年、この頃になりますと、我が家の月下美人が、ささやかに花をひとつだけ、
恥ずかしそうに咲かせます。

この花の咲く時期は正確に決まっているものではなく、今年のように8月16日に
咲いてみたり、9月中旬とか、また10月、遅い時は11月に入ってから花を持つ事も
あったりと、他の花と比べてもわりあい、いい加減なところもあるようです。

普段は庭に置いてありますので、時としていつの間にか咲いてしまい、朝になって
しぼんでしまった花を発見して、何だ、夕べ咲いたのかと後になって気づく事も間々あります。

昼ごろには蕾もかなり膨らんできます。今夜あたりかなとなりますと、庭から部屋のなかに
取り込んで開花を待ちます。

薄暗くなる午後6時頃から、花びらが動き始め、わずかに口を開ける様になり、中は
複雑に絡まるように見えるのが、おしべ、めしべで、その造形の綺麗さは自然界の
不思議さを見るたびに感じます。

そして、午後10時前後に満開を向かえ、精一杯の華麗さを展開させ、夜中の12時頃には、
もうしぼみ始めるのです。

しかし、今年はどういうわけか満開には至らず写真のように6分から7分程度の開き具合で
終ってしまいました。


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昔の粋人と言われる人たちは、月下美人が今夜咲くのが分かると知人、友人を自宅に
招き、その咲き具合、開き具合を楽しみながら酒宴を開いたそうです。

月を眺めながらの酒の宴、月下美人を愛でながらの酒の集まりと、秋は何かと空気も
澄むこともあいまって、いろいろな理由をつけては、飲む機会をつくったものと思います。


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月下美人   絵 プッポロ

この月下美人は昼間は花を見ることは出来ません。

夜中にしか開かないこの花を見る度に、どうも私はあまり健康的ではない、どちらかと言えば
不健康な花のイメージが前から強いです。

花を見るためには夜中まで待つわけですから、これだけでも、随分変わった花であります。

待つ間に酒を飲みたくなるのもここで、よく分かるような気もします。

また、絵を描くのも夜中ですから、これもまた大変です。

そこで今回は翌日しぼんでしまった花をスケッチしてみました。

小さな硯に墨をすり、小筆を使ってのデッサンで、淡い水彩絵具をかけてみました。

何となく日本画風になったようです。

しかし、月下美人のしぼんだ花などを、描く人はまずいないでしょうね。


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2005年5月22日

五月のバラ

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今、我が家では四季咲きのミニバラが、満開を迎えています。

もう何年も前になりますが、綺麗な花束を頂いたことがあります。
その花たちの中に、このミニバラも彩を添えていました。

淡いピンク色が可憐で、小さな花ながら、ひときわ目立つ存在でありました。

花束も見頃をすぎる頃、ふと、この一本のミニバラに心が動き、また、咲くものなら咲かして、
いつの日かこの花を、又、見たいものだと、軽い気持で小さな鉢に挿してみました。

しばらくして、新芽が伸びはじめ、それが2本3本と増えた時、うまく根付いたことが
これでわかります。

それ以来、毎年5月初めから、6月、7月と花の数こそ、やや少なくなりますが、
次から次と綺麗に咲き続け、外を通る人々にも、結構目を楽しませております。

手入れなどをしていますと、「どうしてこんなに年中咲くのですか」と聞かれるのが、
毎度のことであります。

そのたびに私の云うことはいつも同じです。

「5月のバラは季節が咲かせて、秋のバラは腕が咲かせる」と。

そうなんです。

5月に咲かせるには、1月から2月にかけて、ミニバラの場合は根元から、
15センチ程を残して切り取ります。

二又になっている枝もその下から切り取り、できるだけ棒一本の状態にします。

すぐにうっそうと茂りますので、そのくらい切って丁度いいのです。

3月末になりますと、新芽も沢山出てきまして、そして、この5月に綺麗な花を咲かせます。


今度は秋のバラ、これには腕はともかく、コツがあります。

それは夏中ちらほらでも、咲き続けていたミニバラも、大分疲れが出てきた頃、
9月1日から9月10日までの間に再び、切り戻すのです。

暑い日が続いている時は、9月10日近くに、早く涼しくなった時は9月1日近くに
剪定いたします。

この時は根元から20センチ程で切り戻し、冬の剪定の時より長めに残します。

寒さが加わる11月から咲き始めるミニバラは、色も鮮やかで花持ちも良く、
1月いっぱいまで楽しむ事ができます。

雪が積もっていても咲き続ける有様は、まるでマジックのようです。

四季咲きバラは、年に2度の剪定と、その時期が決め手です。

どうぞお試しになりまして、ご自分の自慢のタネになさって下さい。


  +注+
 四季咲きのバラに限ります。
 大輪のバラは春だけの一季咲きが多く、ミニバラは四季咲きが多いです、
肥料も勿論大切です。

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2005年4月12日

新宿御苑 8万人の宴のあとに

4月10日、新宿御苑には8万人の花見客で賑わったそうです。

あの大きな芝生広場が、人で埋め尽くされて、上空からの写真を見ましたが、
その広場に細い一本の道すじがつづき、それがかろうじて、わずかな通路に
なっていたようです。

さて、その翌日、8万人が去った宴のあとの静けさは、小雨こそ降り続きましたが、
新宿御苑の桜模様は、雪景色と見まごうほどの美しさで、人影のない桜吹雪の
幻影の世界でした。

まずこれからも叶う事もないであろう、このさくら静寂の場へご案内したいと思います。

クリックで拡大されるのもあります。

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新宿御苑には上の池、中の池、下の池とあり、このアングルは、中の池の前に
あります、レストハウスのベランダからのものです。


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これも同じ場所からで、一本の桜から白と赤に咲き分ける、新宿御苑の名木桜、
人気桜でもあります。


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同じレストハウス2階からのしだれ桜、新宿御苑には、しだれ桜も多く、下の池附近には
10数本見られる所もありカメラマンのお決まり場所でもあります。


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淡い色調のソメイヨシノと芝生のコントラスト、淡い美しさは夢のようです。


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シダレザクラ特有の樹形、のびのびと広がる姿を見られるのも、この御苑の特徴です。


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少々色の濃いシダレザクラ、花期は結構長そうです。


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白と赤に咲き分ける桜の枝から望む中の池、ここにも人影もありません。


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その咲き分ける人気桜のアップですが、近くで見ますと八重桜であることが分かります。


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上の池は日本庭園の中心にありまして、新宿御苑の中でも、とりわけ落ち着いた
雰囲気があり、緑も多いだけに、また格別に桜も引き立つようです。


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その上の池に架かる木橋、記念写真をここで撮る人も多い人気スポットです。
それだけに普段はシャツターチャンスも難しいところですが、あたりはこの静けさです。


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木橋を渡って池の南側、芝生と綺麗に剪定されたつげの木、そして赤松。

中間の低木が、今を盛りの花かいどうです。


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このシダレザクラは大きいです。

シダレザクラは一本立ちが良いといわれますが、私もそう思います。

木がのびのびするのか、思い切って大きくなるようです。


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旧御涼亭をソメイヨシノから望みます。

台湾閣とも云われ、エキゾチックな形で、私の好きな建物です。

何回もこの場所からスケッチをしています。


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その台湾閣内部から見た上の池の桜風景です。


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桜は下に垂れ下がって咲くのが本来の姿です。

街中の桜はあくまでも街路樹としてあつかわれ、通行人、自転車の邪魔にならないように
切られてしまいます。

気の毒と言えば、気の毒です。


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新宿御苑の中でも、もっとも高い所にあるのが、この桜園地です。

ソメイヨシノが中心ですが、そばに休憩所もあり、大芝生の所とは
また違った雰囲気があります。


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その高台にある桜園地から北側を見おろします。

緑の中に点在する桜の数々、展望の良いところです。


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下におりてフランス式庭園前を通り大芝生に入ります。

ぐるりとソメイヨシノに囲まれた芝生広場、シートを広げるお決まりの場所でもあります。


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新宿御苑最大の芝生広場、ここを中心にして、4月10日には、8万人の花見客がそろいました。

わずか24時間後の、この風景、その賑わいは夢幻のごとく。


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温室近くの大桜。

あたりは桜吹雪の花びらで、足もとられそう。


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時折通る人影にふと我にかえる。

そんな感じのあたりの静けさ。


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どこに行っても人影なし、まず2度と味わう事がないであろう、今日の新宿御苑です。


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すべてが桜とともに止まってしまったような錯覚を感じました。


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2005年4月10日

千鳥が淵 夜桜見物

桜といえば、この人と云われるほどに、有名な方と長いお付き合いをしています。

昨日も、この桜の季節、ふと話をされた、千鳥が淵の夜桜ばなし。

桜好きの貴方ならぜひ、一度は見てもらいたいの一言で、さっそく昨晩 (9日)
 千鳥が淵に行ってはみましたが ・・・・・・・

私のグループでは、ここのところ数年、お花見とくれば、「新宿御苑」と決まってまして、
今年もすでに予定に入っているところであります。

その「新宿御苑」とは、どう違うのか、行った事のない千鳥が淵のライトアップの
桜ですが、まず行って大いに驚いたのが人の多さです。

少々話には聞いていましたが、何しろ都営新宿線で九段下駅に着いたのが、
夜7時頃でありましたが、地上に出ますと、もう靖国通りの歩道には、
長い行列が出来ています。

それは緑道に入るための行列です。

靖国通りから入る千鳥が淵緑道、約700メートルにわたって、戦没者墓苑を通って
内堀通りに抜けるまでを、お堀に沿って、ライトアップされているのです。

その細い緑道に入るまでに、何と40分掛かりました。

まずはその千鳥が淵の夜桜をご覧になってみて下さい。


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写真だけを見ますと静かな雰囲気で、さすがに皇居にふさわしい、お堀に映る、
またとない美しい桜の花かげ、って見えますが、これを撮るために、こずかれたり、
どっかれたり、足の上を歩かれたりと、よく生きて帰られたと思うほど、
それ程でもありませんが、押すな、押すなの行列の中の桜見物、カメラ操作でした。

それにしても、確かに綺麗ではありますが、桜なんて、こんな風にして
見るものではないと思います。

広いところで、明るい場所で、もっと手軽に、行列しないで、そして桜は
やっぱり昼間見るものだと思います。

桜好きの私は、都内は勿論各地の桜をずいぶん見ましたが、その中でも、
やはり「新宿御苑」は別格です。

新宿という手軽に行ける場所の良さ、場所取りもなく、カラオケもなし、
桜本来のあの大きな樹形も楽しめ、75種類、1500本が咲き乱れる様は
圧巻であります。

4月中旬からは、いよいよお待ちかね山桜が始まります。

ぜひ、今年の桜は「新宿御苑」で楽しんでください。

入園料200円でございます。


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2005年3月24日

クンシランの花

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我が家のクンシランが、今を盛りと咲いています。

ヒガンバナ科 アフリカ原産だそうですが、花持ちも長いようで、これからしばらく
楽しめそうです。

これは8年ほど前になりますか、もっと前かもしれませんが、友人達と八丈島に
行った事があります。

大島に行った時もそうでしたが、帰り際になると決まって観光バスのなかで、
ガイドさんがくじ引きなどで、その島の特産品などをお客に配る事があります。

私はその時何も当たりませんでしたが、友人達の一人がこのクンシランの
苗木が当たったのです。

その後、友人は頼まれもしないのに、その苗木を丹精込めて育て上げ、何年かするうちに
花も付き始め、根元からは小さな新しい芽が何本か出るまでになったものです。

そのうちの一本を、私を可哀想と思ったのか、くれたのが今から四年前の事であります。

水を絶やさないように、根ぐされしないようにと、それは結構手間ひま掛かった様に思います。

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年を追うごとに、葉の数も多くなり、どこかで聞いたことがありますが、14枚から
15枚になると、1本花が咲くよの話の通り、15枚になったこの3月に初めて咲きました。

オレンジ色の花が先端に10個ほど、そして今度は葉の数が17枚から
18枚になると、2本になるそうです。

ところで昔、植物でも動物でも人様にあげた時、けっしてその後「あの木は
どうしましたか」とか、「差し上げた犬は元気ですか」 などと聞いてはいけないと、
云われた事があります。

大事に大事に育てていても、何かの事情で枯らしてしまったり、死んでしまったりする事も
あるものだからと。

また、むやみやたらと望んでもいないのに、生き物をあげない事も大事なようにも思います。

あとの手入れ、世話はその人がやるのですから。

私のように植物も動物も大好きで、手がかかれば掛かるほど、面白いなどという
人間は、そうざらにいるものではありませんから。


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2005年2月 3日

2度目のオンシジュームの花

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オンシジューム スィートシュガー エンゼル

昨年11月19日にも、このオンシジュームの花を、ここで、ご紹介致しました。

その時2本目の花芽が、わずかに小さく伸び始めていたのですが、それがようやくここにきて、
15個のつぼみが、すべて開いたのです。

洋ランといえば代表的なのはカトレアでしょう。

洋ランの王様とも言われる、このカトレアの花の優雅さ、大きさ、その豪華さは
やはりナンバーワンといえますが、栽培が難しいようで、第一に温室が必要であり、
また温度管理が大変そうです。

その他の洋ランでは、シンビジューム、デンドロビュームなどありますが、
カトレアほどには手が掛からないようで、寒さにもある程度強く育てやすいようです。

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このオンシジュームも購入してから2年ぶりに咲いたものです。

それまでは購入してから、お決まりのごとく、ミズゴケだけでの栽培を守っていましたが、
たびたび根ぐされを起こしていて、花芽は持ちませんでした。

そこで自分なりに、ほとんどの植物は土に植えられているではないかと考え、
思い切って半年前にミズゴケから、腐葉土を混ぜた土に植え替えてみたのです。

それまで悩んでいた根ぐされがなくなり、何といっきに、いきおいが出てきたのです。

そしてこの花の見事さであります。

洋ランを土で育てることは、普通ではまずやらないし、考えもしませんが、
今回のことで、そのごく普通の常識をたまにはひっくり返す事も、また
必要なのかもしれないと思いましたね。

洋ランと根ぐされは、つきもののようです。

それで苦労されている方は一度お試しになられてはいかがでしょうか。

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2004年9月 8日

夜の花

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からす瓜の花

とっぷりと、夏の夜のとばりが降りた頃、小さな庭の暗闇に、ぼーっと、霞んだように、
浮き出るように、白い花が見られます。

からす瓜の花です。

さざんかに巻きついた、つるの先ざきに、いくつもの花がさがります。

白い花びらの縁が、糸状にさけて、あたかも優雅な、レース織りのハンカチーフが
風にゆれているようです。

わずか数時間の、はかない、自然の美、天然の美であります。


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月下美人  

サボテン科の多年草。

クジャクサボテンの仲間。

そんな無粋な話はよしましょう。

からす瓜と一緒で、夏の夜の花です。

丁度、この時期に、多く花が見られます。

昼間、大きく膨らんだつぼみが、もうこれ以上膨らめないと思う頃、夕方六時過ぎあたりから、
そのつぼみが、ほどけ始めて、夜十時頃には、あわい香りと共に、大輪の白い花が開きます。

夜開く花、妖艶な花、花の中に、また花があるような、おしべとめしべ。

昔、通人になると、客人を招いて、酒を酌み交わしながら、この花の芸を楽しんだそうです。

せっかく綺麗に咲いたのに、夜中の一時頃には、もうすっかりしぼんでいます。

さびしい夜の、夢の花です。

こんな歌があります。

「月下美人は 一夜のめしべ おしべかな」

美しくも、はかない恋です。

(写真クリックしてみてください)

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