2006年3月 9日

マイ マンドリン

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駅の構内などで、よく若者が黒の楽器ケースを背にかけたり、大事そうに腕に抱えたり、
また軽々と片手で運んでいるのを目にする事がある。

そのファッションとあいまって、ひとつの絵になっていることも多く、一芸に秀でた人間として
軽い羨望のまなざしで私はつい見てしまうことがある。

そういう私がその黒の楽器ケースを持った姿はどういう風に見えるだろうか。

たぶん羨望のまなざしで見てくれることは、恐らくないであろう。

「あの人は自分が楽器をやるのではなく、ただ誰かに頼まれて運んでいるに違いない。

または自分の子供のお稽古に使う楽器をどこかに修理に出す途中に過ぎない」と。

いや、そんなことも思わず、目にも入っていないかもしれない。

そんな私が本当にマンドリンが入った楽器ケースを持って銀座4丁目の山野楽器に行った。


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私のマンドリンである。

鈴木バイオリンで作られた1975年製のマンドリンで、その年に買ったもので、
今年でなんと31年目になる。

あらためて、このマンドリンとの付き合いの長さに、驚くばかりだ。


山野楽器に持って行ったのは弦の張替えと調弦、そして一番の問題は弦を押さえたときの
指腹の痛みである。

普段は弦の張替えと調弦は自分でやるが、この指の痛さは永いこと練習のたびに
泣かされてきた。

プロの演奏家は指の痛みを、どうしているのか。

慣ればかりではないように思い、よく行く山野楽器に相談をしてみた。

「一度お持ち下さい」とのことで、出掛けたのが2月のなかば、そして生まれ変わったように
弾きやすくなって帰ってきたのが、このマンドリンである。


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大きく穴があいているのが、これをサウンドホールという。

このホールの中央部でピック (ツメ) を上下に2本の同音の弦を同時に弾くとあのマンドリン
独特のチャラチャラの音が出る。

弦は1弦から4弦まで、それぞれに2本づつあるので合計8本の弦が使用されている。

その8本の弦はボディから僅か2ミリ、3ミリのすき間を保っている。

そのすき間を作っているのが、上の写真で手前に見えている白色の弦受、ブリッジと
呼ばれるもので、これが高すぎると、ボディと弦の間が広がり、強く抑えることによって、
指先が痛くなる。

と、いってあまりすき間がなくなると弦がボディに接しやすくなり、今度は音がぶれてしまう。

ブリッジを削っての微妙な調整がプロの腕の見せ所というものである。

山野楽器からメーカーの鈴木バイオリンに運ばれ見事に弾きやすくなったのは云うまでもない。


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先端部分をヘッドといい、その手前の長い弦があるところをネックと呼び、弦の中央にある
白い丸印はポジションマークという。

普段は自分で弦の張替え、また調弦も適当にやっているが、プロの手に掛かるとこれが
同じ楽器かと思うほどの違いである。

弦巻きにきちんと巻かれ、きちんと弦も短く切られているが、以前ロックバンドのギターなど、
わざと長い弦を切らずに、そのままにしてチャラチャラさせながら演奏しているのを見て、
カッコいいなと私もそれをこのマンドリンでやっていた事があるが、しかし、その実は
弦を切るはさみが、その当時無かったということもあるにはある。


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弦楽器でも、管楽器でも、打楽器でも楽器と名の付くものは、その姿はどれも美しいと思う。

なかでも弦楽器の木製部のあの艶やかさ、あの暖かみのある曲線の美しさが私は好きだ。

バイオリンの8の字型のアールの美しさ、僅かなボディの柔らかなふくらみの作りは、
それだけで芸術品そのもののように思う。

このマンドリンの響鳴胴(ボディ)の裏側のふくらみなどは官能的でもあり、エロチシズムさえ
感じるほどの美しさである。

木を一本一本細くして細工をしアールをつけて、糊付けをしてこの丸みを作る。
手作りならではのぬくもりである。

31年前に製作されたマンドリン。

その当時はどこのデパートにも楽器売り場があった。

これは池袋西武百貨店で購入したもので、大きなガラスケースに飾られていたのを、
初めて手にした時の気恥ずかしさ、嬉しさ、そして静かな感動をいまだに忘れられない。

デパートから楽器売り場の姿が消えたのと同時に、世の中のしくみまですっかり変わり、
今この時、変わらないのは、このマンドリンの美しい音色と、私のマンドリンを弾く腕の
未熟さだけだ。

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2006年2月17日

マイ ピアノ

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私の兄が若い頃、アコーデオンとハーモニカをよく演奏していたものでした。

それを見ながら育ったのも、あるのかも知れませんが、私も子供の時分からハーモニカを
吹き始め、それが楽器との付き合いの始まりのようでもあります。

そのハーモニカから始まり、大人になり、リコーダー オカリナ マンドリン そして、ピアノと
今に続いていますが、なかでも嬉しいにつけ、寂しい時につけ、一番演奏するのが、
このピアノであります。

ヤマハのエレクトロニック ピアノ P-80というのですが、普通のピアノと同じ88鍵盤を
持っています。

購入してから、もう7年になります。

ところで私はピアノ教室には通った事がありません。

暇の無いのもありますが、子供の頃ならいざ知らず、中年を過ぎてから、今更ピアノ教室に
習いに行くことの気恥ずかしさもあり、それでいて、やっぱりピアノを弾いてみたいの気持も強く、
そこで大きな楽器屋さんを回っては、私に合いそうなピアノ入門書なるものを買い集めたりも
したものでした。

最近では図解入りで懇切丁寧な独習書が、たくさん出ていて、これだけでもかなりの
基礎知識を学ぶ事が出来ました。

初心者向きには指番号つきの楽譜も出ていて、これがなかなか良かったように思います。

両手とも親指が1番、人差し指が2番・・・・、と小指の5番まで番号をつけ、楽譜の音符に
付いている数字の通りに指を置いてゆく弾き方であります。

楽譜に慣れるまでは、これはかなり頼りになりました。


この電子ピアノの良いところは調律の必要のないこと、そして、さまざまな音色が出ること
たとえばピアノにしても、グランドピアノの音、クラシックピアノの音、ジャズピアノ、ロックピアノ
なとの音色を出す事が出来ます。

他にはハープシコード、いわゆるチェンバロとしても演奏が楽しめ、ストリングス、パイプオルガン、
ジャズオルガンとしても使えます。

「きよしこの夜」などパイプオルガンで演奏しますと、まるでチャペルの中に いるような雰囲気に ?

二つの音を同時に演奏する事が出来ますので、静かなピアノ曲に、そこにストリングスを
からませると、どこかの大ホールで、101ストリングスを相手にひとりピアニストとして
演奏しているような気分にもなれるというもの・・・。


ただし、うまく弾けての話ですが。 ≧∇≦


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2005年3月 4日

「イムジン河」とハーモニカ

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家人も寝静まり、ワンコロもすでに寝て、ようやく静寂が訪れる頃、おもむろに一本の
ハーモニカを私は手にする。

すでにここで書いた事があるが、ハーモニカは子供時代からなじんだ楽器である。

さまざまな楽器をやってはいるが、とりわけハーモニカは何十年と吹き続けてきただけに、
他の楽器をやる時のような気負いがまったくない。

持つ手に同化しているようでもあり、手の一部のような気さえする。

だが吹けば吹くほど奥が深いというか、たかがハーモニカと言っては
余りにもその言葉は軽いと思う。

静かに更けていく深夜に、今、心を込めて吹いている一曲がある。

北朝鮮で1960年代に作られた曲「イムジン河」である。

イムジン河、昭文社の「世界地図帳」では、イムジンカン (臨津江)と、なっているが、
人によってはリンジン川とも言っている。

1968年に、ザ フォーク クルセーダスによって、東芝から一度は発売されたが、
会社の韓国への配慮、北朝鮮からの出所の明記の要求などで発売中止の経緯がある。

時は過ぎ、2001年NHK紅白歌合戦で、キム ヨンジャさんの、新バージョンの熱唱で、
再び日の目を見ることになった。

朝鮮半島の南北にわける軍事境界線に沿って流れる、大きな川「イムジン河」、
その流れに託して、南北の分断の悲しみと、ふたたび祖国の統一に願いを込めて
歌われる名曲の「イムジン河」。

そのメロディの美しさと、原詩の持つ胸を打つ心の叫び、この歌がもっと大きく
広がることで南北の対話と統一への理解とが深まればとの思いが私にはあります。

      イムジン河

   朴世永 バク せヨン 原詩
   松山 猛 訳詩
   高宗漢 コ ジョンハン 作曲

  イムジン河 水清く とうとうと流る
  水鳥自由に群がり 飛び交うよ
  我が祖国 南の地 想いはるか
  イムジン河 水清く とうとうと流る

  北の大地から 南の空へ
  飛びゆく鳥よ 自由の使者よ
  誰が祖国を二つに分けてしまったの
  誰が祖国を分けてしまったの

  イムジン河 空遠く 虹よかかっておくれ
  河よ想いを伝えておくれ
  ふるさとを いつまでも 忘れはしない
  イムジン河 水清く とうとうと流る

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2005年1月21日

プッポロとハーモニカ

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小学校3年の頃に初めてハーモニカを手にした。
兄が見事に演奏するのをみて、自分も吹いてみたかった。

母が兄に教えるように云っても、「ハーモニカは自分で練習するものだ」の、
一点張りで教えようとはしなかった。

一番簡単な「日の丸あげて・・・」を吹けるようになったのには、それほど時間は
掛からなかったように思う。

それからは面白くて明けても暮れても、ハーモニカの日々が続いた。

それは中学に入っても続き、よそのクラスにも知られるまでになった。

忘れられない思い出がある。

中学校での自分の卒業式の最後にハーモニカを吹いてみるかと、
担任の先生から云われた。

すごく嬉しかったように思う。

さっそく自分のレパートリーから、いろいろな曲を選んでみる。

そこで、どうせ吹くなら、やっぱり一番得意の、曲がいいかと思うが、その曲は・・・

「何を吹くんだ」と、当日聞かれたが曲名は云わなかった。

卒業式はとどこおりなく進み、ほぼ終る頃、自分の出番になった。

先生方は左右に一列づつ座っている。

その中央に立ち、一礼の後におもむろに吹き始めたのは「蘇州夜曲」であった。
  
   君がみ胸に抱かれて聞くは
     夢の舟歌  鳥の唄

「先生 これは蘇州夜曲ではありませんか」

「そうです これは たしかに 蘇州夜曲です」

「どうします? いいんですの?」

「だってしょうがないでしょう !!」

先生同士が、小声で話し合っているのが、良く聞こえる。

水の蘇州の花散る春を
      惜しむか柳が すすり泣く

ろうろうと、それは三番まで、たっぷり吹き続けた。

終ってから、大変な拍手喝采があったことは云うまでもない。


  プッポロのハーモニカ

上のは、トンボハーモニカ、28穴 複音ハーモニカ 21・5センチ。

ジャズから演歌まで、オールマイティに澄んだ音が楽しめます。

この28穴は昨年をもって製造中止になり、今や貴重なものになりました。

中のは、ドイツのホーナー製、12穴 クロモニカ270 14センチ。

レバーの操作によって半音が出ます。

ジャズからクラシックまで、すべて演奏可能ですが、多少慣れと練習が必要です。

複音と比べて音質が渋く濁った感じが、ブルース、ジャズに向いているのかもしれません。

手前のは、トンボハーモニカ、10穴 エアロリード 10・3センチ。

ブルースハーブとも云われるもので小さいです。

音質はクロモニカ270ににています。

この形のものはロック歌手などに人気があり、長渕剛さんが使っている事でも
知られています。

いずれにしても、数ある楽器の中でも親しみやすさではトップクラスです。

今までの年輩者の吹くもののイメージから、最近は若者に広がる傾向が
はっきりと見られます。

プロの演奏家に女性が多くなっているのも昔では考えられなかったことです。


    

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2004年7月30日

マイ リコーダー

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音楽を聴くのも好きですが、自分で楽器を演奏するのも、また大好きです。
今までに、ピアノ、マンドリン、オカリナなどを、やってきましたが、私の場合、
すべてが独学です。

最近は、楽器店に行きますと、ありとあらゆる楽器の入門書がそろっています。

それも、よく書かれていまして、その本の通りに練習していけば、ある程度の
ところまでは、できるものだと思いますが、ただし、そこから先にいくのは、
本だけではむずかしいです。

それで最近は、自分だけで楽しむのなら、そんなに無理してまで、そこから先に、
いかなくっても、いいのではと、そのかわり、いつも同じ曲ばかりになりますが、
その同じ曲が、ものすごくうまくなれば ?   いいんじゃん と !

銀座七丁目にあります、ヤマハ楽器に、リコーダーを買いに行ったのは、
もうしばらく前になります。

プッポロとしては、一段音程が低い、音色の、アルトが欲しかったのです。
ソプラノより、すこし太め、そして長めです。

綺麗なガラス戸棚に、沢山のリコーダーが並んでいます。
それを眺めていますと、年輩の店員さんが、その中から、一本取り出して 
「これなどいかがでしょう」。

「これは、アルトですか?」

「これは、ソプラノです」

「私はアルトがいいなぁと、思っているんですが」

「いや、あなたには、アルトは無理です」

「えーっ ! まだ、吹いていないのに、どうして分かるんですか」

「あなたは、手が小さいからです、小指が、一番下の穴にとどきません。

買ってもきっと、あなたは、だめで放り出すでしょうね」って。何もそこまで。。。。

かくして、ドイツ製、ローズウッドの、ソプラノが手に入り、今はどこに行くにも連れていきます。

昭和記念公園でも、秩父札所の二十三番、音楽寺でも吹きましたね。

写真は7月13日、あの40度近い暑さの時、秩父 両神村の山の中で、吹いた時のものです。

それにしても、やっぱり、アルトも欲しい。

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