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2017年1月28日

8年待たせたヤブツバキ

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我家の小さな庭と、お隣さんの庭との間には、しっかりした塀があるが、その塀の中間部には、
お互が、自由に行き来が出来るようにと、昔から開けてある。

勿論、扉はあるものの、鍵の無い軽い鉄の格子でできている。

当初は珍しさもあって、子供達は双方から面白がって行き来を盛んにしていたものだったが、
代は変り、子供達も大きくなり、いつの間にか開かずの扉のようになってしまった。

それでも、何か緊急事態に備えて、そういう通路を保っておくのも悪くはないと、長いことそのままに
なっている。

コンクリートの塀は2メートルぐらいの高さ。

上から下までお隣さんが見えるのは、わずか、その扉からである。

その部分が開いているだけで、風の通り道にもなっているが、今では扉の向こうには3メートルにもなる
南天の木があったりで、これからも、ここを開けてお隣に行くことも、もう、無いかもしれない。


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一年を通して木々が割りと多いせいか野鳥がよくやってくる。

ヒヨドリ、メジロ、スズメ、キジバト、冬になるとジョウビタキ、ツグミなどが時たま顔を見せる時がある。


その鳥たちが来ると、どこが具合がいいのか分からないが、お隣との境の鉄の扉の上でよく休む。

南天の木はその形からして、確かに止まりにくい。

塀の上に置いてやっている水の皿、その水を飲みながら少々歩いては扉の上でしばし休息する。

そして、植物の種の入った、小さな糞をする。

そのせいだと思うが、鳥達が休むその真下からは、いろいろな植物の芽が出てくる。

一番多いのは小さな赤い実をつける千両、万両だが中には、どうしても名前が分からないものもある。

その中で少々他の植物と違った小さな芽を見つけた。

先程から紹介している隣家との境の扉の真下である。

小さいながら葉に艶があり、とても綺麗な色だ。


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それからは草取りの時など踏まないように注意しながら様子を見ていた。

それから一年経ち、二年たち、三年経っても、まるで小さく、15センチ程にしかならない。

それでもその頃になれば、当然、これはツバキだなと分かってきたが何しろ成長が遅い。

いつしかほとんど忘れた状態のままだったが、それがごくゆっくりだが、芽は我家の方に
向って伸びているのが分かるようになった。

丁度、お隣との中間点でどちらのものとも云えない位置だ。

だが本体はこちらの方向を目指しているようだ。

それから、又、三年、四年と過ぎたが、このツバキ、一切あわてようとはしないようだ。


20センチをようやく越えた頃、鉢に植え替えてみた。

赤球土70パーセント、腐葉土30パーセントの定番の配合である。

鉢植えだから日当たりの良い場所に置いてやれる。

水は欠かさず、ほどよい肥料を与え、いつ咲くか分からないツバキをあきもせず、面倒をみてきた。

そして昨年、9月末頃、ついにほんの小さなつぼみが、一つ見えてきたのだった。

しかし、そのつぼみも、まったく変化が乏しく、ほんとにこれが咲くのかと思ったほどだ。


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ツバキにとっても咲く段取りがあるのか、その時を待つのか、それからも4ヶ月掛かって、
ようやくのことで、今日、1月28日、赤いヤブツバキの花が咲いた。


お隣りとの境に鳥がツバキの種を落とし、小さな芽を出し、それから8年掛かって咲いているのが
この写真であります。

山と渓谷社の、ぶ厚い写真図鑑「日本の樹木」を見てみると、確かにヤブツバキと分かる。

常緑高木とあり、沿海地に多いが山地にも生え大きいものは高さ、10メートルから15メートル
にもなるという。

花弁は5個で、平開せずに半開きに咲くようだ。


こういうのを、「鳥からの贈り物」というが、それにしても、8年は長すぎる。


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