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2013年6月18日

那須高原で絵を描く

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那須連峰を望む F4号 34㎝×25㎝ ワットマン紙  絵 プッポロ 

このスケッチを描いたのは、5月21日のこと。

もう、1ヵ月も前のことになる。

時計は午前5時20分をさしている。同室の男三人はまだ夢の中である。

その内、二人はカラオケルームに、遊びに行って、部屋に戻ってきたのは、午前1時を回った
頃のようだ。

もうひとりは手持ち無沙汰に、深夜、遅くまでソファーにもたれて、酒を飲んでいた。


今回は那須高原に仲間との一泊旅行である。

人気の宿、「ホテルエピナール那須」に宿を取り、一日目は、どこにも出掛けず、もっぱら、
温泉三昧を楽しんだ。

その2日目の朝をむかえた。

ベットの中で昨日は、そういえば一枚も絵を描かなかったなと思う。

せっかく絵の道具を持ってきているのにと思いながら、ベットから離れ、大きな窓に掛かった
カーテンを少し開けてみる。

何と、今日は雲ひとつない快晴である。

思わず気分も盛り上がってくる。

6階から見える那須連峰は、まだ陽が出ていないので、山の陰影はハッキリしないが、
もう、間もなく陽も出て、山の重なり、尾根の道すじも、きっと見えるだろうと、寝ている男三人を
起こさない様に、手早く絵の支度をして、大きくて重いガラス戸を、静かに静かに開けた。

パジャマのままだが、それ程、風の冷たさは感じられない。

ベランダには雨に濡れてもいいように鋳物で出来た、重い椅子が二脚あった。

山に向って椅子を向かい合わせに並べて、座ってみた。

目の前の椅子は道具置きと、イーゼル代わりにする。

スケッチブックは4号だから、それ程大きくはないし、それ程小さくも無い。

まず山の全体像を画面に取り込んでみる。

手前の樹林帯も描いてゆく。線は油性のサインペンである。

山の稜線が薄いブルー一色の一本の線に過ぎなかったが、樹林帯を描く頃には陽も薄く
ではあるが、射すようになり、急に山の陰影も出てきて、ひとつひとつの山の形が見えてきた。

もえぎ色と言うのか、鮮やかな新緑が本当に綺麗だと思った。

およそ30分ほどで描き上げて、部屋に入ると酒好きの方が、ひとりで、ソファーに両手を
広げて座っていて、

「あれっ もう描いたの」って。


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那須平成の森 2号 25㎝×19㎝ モンバルキャンソン紙 絵 プッポロ

 
この絵のスケッチブックは、小さめで時間の無い時、また立ったままでも描きやすいので
面白いスケッチブックです。

ホテル主催のネイチャーツァーと称して、宿泊者に那須高原近辺を、ホテルのバスで
案内をしてくれる。

そのひとつに、「那須平成の森」というのがある。

一般には那須の御用邸として知られているところである。

その一部を整備しなおして、今は一般に開放されている。

園内には立派なネイチャーセンターなども設置され多くの観光客で賑わっていた。

遊歩道もたくさんあり、案内板も目立ち、広い園内でも迷うようなことはないようだ。

全体が自然林で、芽吹きしたばかりの新緑がとにかく綺麗だ。


ふと見回すと、あたりには誰もいない。

仲間もどこかで休んでいるのか、見当たらない。

出入り口はひとつのようだし、はぐれることもなかろうと、ひそかに持参したこの小さな
スケッチブックを取り出し、遊歩道脇の土手の斜面に腰を下ろし、正面の林を描いてみた。

無数の木々の重なり。

こういう絵は描いていて、実に楽しい。

単純な同じ動作のくり返しだからだ。

ペンは休むことなく樹木を描いていく。

深い森と言うのではなく、明るい高原の林だ。

きみどり色が、絵具のパレットを賑わしていく。

湿度が低いのか、色のぬりが手早くすすむ。

林の奥の奥まで、限りなく奥の奥深くまで、描き表したい。

そんな思いで、小さなスケッチブックに描いてみた。

             *


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