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2012年3月30日

さくらに思う

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さくら  41㎝×32㎝ F6号  モンバルキャンソン 絵 プッポロ

手元にある岩波書店の 「ことわざ辞典」 を、みても、桜に関する、ことわざが、
思ったより少ないないことを知った。

わずかにふたつですが、そのひとつに 「梅切らぬばか 桜切るばか」 と、言うのがあり
ますが、これなどは昔からよく言われたもので、おなじみのものですね。

梅の花芽は短い新しい枝につくから、古く長い枝を切って、形を整えても問題は無い。

しかし、桜の場合は古い枝に花芽が付くので、それを切ってしまったら花が咲かない
ばかりか、切り口から病原菌が入り、木が腐りやすくなるので、きらない方が良いと
云われています。

もうひとつのことわざは 「桜は花にあらわれる」 と言うのがあります。

普段は常人と変わらないように見える人が、何かの折に優れた才能を発揮することの
たとえとして紹介されています。

花の無い時の桜の木は、普段まったく目立たないが、一旦、花が咲けば、これ程、ひと目で
分る花もなく、その時こそ、桜の持つ力が現れる。

また 「桜は花にあらわれにけり」 と、平家物語にも歌われているようです。

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けいおう桜  41㎝×32㎝ F6号 モンバルキャンソン 絵 プッポロ

さて、桜のシーズンが、今年は遅れていますが、ようやく東京も開花宣言されるようです。

以前、ある随筆家が、名前を忘れてしまいましたが、ひとりの絵描きさんのことを書かれ
ていたのを読んだ事があります。

桜の季節になりますと、その絵描きさんは、各地に桜を訪ねては、画帳にさまざまな桜を
写生するのが、大の楽しみにしていたそうです。

桜前線に追われるようにして、南から北にと写生に出かけたようです。

桜だけは温室栽培は出来ず、今ある桜は今だけの花。

一年に一度、数日だけの花です。

今を逃せば又、1年待たなくてはならない。

その絵描きさんは、かなりの高齢でもあったようで、のんびりなんか、していられない、
そんな気持ちだったのでしょう。

それでも、後、10回は桜を見たいものだ、あと10回は桜を描きたいものだと切に思ったようで
それからも、桜のシーズンになれば、遠くまで足を延ばして桜を描きつづけたそうです。

しかしながら、結局はその後、5回の桜の季節を迎えて、亡くなられたと、その随筆には
あります。

いま、考えてみますと、なんと、幸せな絵描きさんだったかと思います。

画帳に写生する。

恐らく売るための絵ではなく、これだけは、真の自分のための絵ではなかったろうかと
思えるのです。

絵描きさんでありながら、こればかりは職業とは離れた真の楽しみ。

絵描きさんにとって、これほど贅沢な仕事はありませんね。

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