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2005年5月30日

蟻地獄 節約の日々

最初、動物学者の先生から、この蟻地獄の話を伺った時、へぇーって、絶句したと
同時に、生きる事のきびしさ、生きる事の哀れさ、そして、自然界の面白さまでをも
感じたものでした。

蟻地獄、又の名を「アトジサリ」、「スリバチムシ」とも言いまして、体長が約1センチほど、
ウスバカゲロウの幼虫であります。

乾燥した土地、私はよくお寺の本堂の回廊などの下とか、鐘楼の下などの、
雨のかからない所で数多く並んでいる巣を見ます。

蟻地獄はかま状の大あごを持っていて、そのさらさらに近い土にすり鉢状に
掘って巣を作り、底にひそんで、落ちてくる蟻などを、捕らえては食べ物にするのですが、
その確率は三日かかって、一匹の蟻がかかればいいほうで、四日、五日、六日と、
じっと待っていても、一匹の蟻もかからない時もあるようです、

その間は、勿論飲まず食わずの状態です。

今日は来るだろうか、明日は来るのだろうかと、小さな虫がじっと待つ心は、
昔はやった、「しとしとピッチャン」の世界のようです。

(私は何でこうなるのかなぁ)。

飲まず食わずの一週間が過ぎる頃、空腹にたまりかねて、その巣の場所を
移動するのだそうです。

だめなものはだめというところでしょうか。

ところで蟻地獄には、肛門が無いんですね。

いや、あったことはあったのですが、それは卵から幼虫になった時、体内に残っていた
老廃物を糞として、ただの一度だけ排泄して、それが最後で、以降は糞をしないのです。

それは糞になるほど食べ物がないのです。

三日に四日に蟻一匹では糞にもならず、また、ぜんぜん使わなければ肛門も
退化してしまい、ついには無くなってしまうのです。

少ない食べ物を繰り返し消化して、生きのびる、究極の節約といえましょう。

先生に質問した人がいます。

「しかし、蟻が三日に一度捕まればいいと云われましたが、どうしてそれが分かるのですか」と聞いた。

「私は蟻地獄の巣の前に椅子を持ち出しましてね、それに腰掛けて、毎日毎日、そうですね、
明けても暮れても、ずーっと、それを見ていましたから」って、この先生もすごいです。


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