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2005年5月26日

石津謙介さんと節約と

ダンディな服飾デザイナーの石津謙介さんが、5月24日、93歳でお亡くなりになりました。

私も10数年前に、一度、お目に掛かった事があります。

静かな話しぶり、丁寧な言葉遣いと、これぞ紳士と思われる方でありました。

50年代から70年代にかけて、大流行させた「アイビールック」。

10代、20代、30代と当時の若者達に、今までに無かった、ボタンダウンの
シャツと、レジメンタルタイ、そして、紺のブレザーと、それは上質で品の良い、
男のオシャレを教えてくれたものでした。

時と場所と目的を持たせて、その場にふさわしい服装選びを勧めていました。

それは自分にも、また、お会いする相手の方にも、心を豊かにするからと。

また、大事なのはファションばかりではなく、食べ物にもこだわり、音楽、演劇にもふれて、
日常生活に取り入れる、あらゆるものの中から、人間性が作られていくと、そして、
先を見る事の大切さを、これは繰り返し話されていました。

さて、今、世間では節約、節約とお題目のように言われていますが、それでは何のための
節約なのか、その節約のための目的が、何なのか、今の若い人達からは見えてこないように思えます。

ただ、お金を使わない、食べ物でも、着る物でも、持ち物でも安い物だけを買う、
これでいいのだろうか。

すべて節約の旗の下で、携帯電話だけにお金を使うのでは、あまりにもさみしい。

少ないお金の中から僅かではあるが、別にして、それをためて、あの憧れの
「三宅一生」のスーツをたまには着てみてはどうだろう。

「タケオキクチ」のシャツを、一枚袖を通してみたり、ボーナスが入ったら、
バーゲンをこれも狙って、「アルマーニ」のスーツも見てみようよ。

コシノジュンコのトランクスだっていいと思う。

その上質の物の中には、身も心もきっと軽くなるものが入っているのです。

それは、作り手の良心が、着る人の精神までも、整えてくれるように思います。

大いに節約をして、本物のファッションを、良質の音楽を、そして、すぐれた演劇に
ふれて涙を流し、又笑い、人生を学んで、こういう時代にこそ、自分を磨いて
いこうではありませんか。


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コメント

奇しくも石津謙介氏のことを自分のサイトに記しましたが、プッポロさんも書かれていのが、妙にうれしいく思えました。うれしいことでは無いのですけど・・・。

石津氏からは、着飾るのではなく着こなせる大人になることが大切で ” 姿は心の表れ ” である。と云うことの、はじめの一歩を僕は教えてもらったと思っています。

それにしても、メンクラの ” 街のアイビーリーガス ” に載りたくて、撮影場所をうろついていた大学生時代が妙に照れくさく懐かしいです。
合掌。

投稿: time@ | 2005年5月27日 01時34分

time@さん おはようございます。
石津謙介さんとは、仕事上のことで、お話を伺いたいと申し入れましたら、軽く受けてくれまして、仲間とお目に掛かった事があります。
場所は四谷辺りだったと思いますが、静かな方でした。
先見の明というのでしょうか、次々に話されることの中には、耳の痛いこともありましたが、教えられる事も多々ありました。
大変に思いで深い方であります。

投稿: プッポロ | 2005年5月27日 10時59分

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