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2004年11月26日

秩父 ニワトリと犬と中学生

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秩父の武甲温泉に向う途中、299号線を越えてすぐに小学校、中学校が一緒の
学校があります。

よく学校の前を通りますと、大きな元気な声で 「おはようございまーす !!」 って、校舎の二階のベランダから声を掛けてくれる生徒が何人もいます。気持の良い子供たちです。

その学校を通り過ぎますと、もうすぐ武甲温泉になるのですが、その少々手前には
養鶏場があります。

そうですね、全体で500坪位はあるでしょうか、広々とした野天でいとも簡単な
柵のなかには、餌さをついばむ、ニワトリが70羽から80羽位いるでしょうか。

辺りは畑ばかりで人家はほとんどありません。

何にしても土地が広いですから、ニワトリものびのびとしている感じで、
さぞかしここで採れる卵は旨いことと思います。

秩父特有の大らかさのある環境で、プッポロは武甲温泉に来るたびに、
この養鶏場のニワトリに目が行きまた立ち止まってはしばし見とれるのでした。

先日の時もニワトリを見ていますと、先の学校の生徒二人が中学生だと思いますが、
黒の詰襟で白の肩掛けカバンの大きい生徒と小さな生徒がやってきます。

その二人が壊れそうな柵のそばにカバンを置き、石を拾い、今度はニワトリの
いない方にその石を投げ始めたのです。

ボコンボコンって、バウンドしながら石は転がります。

すると、ニワトリがそれを餌だと思ったのか、30羽40羽が一斉にわーって
我先に集まるのです。

ニワトリは大騒ぎになります。右往左往しています。

それを見て、このオテンテンの、大小の二人の中学生はなんと 「がはははっは !! 」つて、笑いころげるのです。

今度は右に投げると、また、ニワトリは我先にわーって、石の方に大群落が移動します。

それを見てまた 「ぎゃははははっは !! 」って、もう笑いが止まらないのです。

左に投げては 「うははははは !! 」又右に投げては 「うひひひひひっひ !! 」の繰り返しです。

しまいには、この学生どもにつられて私も大笑いに巻き込まれ、三人で肩を叩き合って
笑いころげる羽目になったのです。

一段落して、小さい方が私を見て 「ところで おじさん ここでなにしてんの」

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この養鶏場を何度も訪れていますが、(別に養鶏場に来ているわけではなく、
私は武甲温泉に来ているのですが) ある事に気がつきました。

この養鶏場の主人を見た事がないのです。

それではここの管理は普段は誰がやっているのか、実はその管理のほとんどが犬が
やっている事がわかりました。

その犬の働きようといったら大変なものです。

つねに走り回って、ニワトリを監視しています。なかには自分勝手にどこかに
行ってしまうのもいます。

するとものすごい速さで先回りしてそれを阻止し、また、群れの中に戻します。

ぼろっちい柵ですから、あっちもこっちもすき間だらけ、穴から道路に出てしまうニワトリもいます。

そうなると苦労するのはこの犬です。

そして見事に追い回して、ぼろ穴から又、中に入れ込み一件落着させます。

ここの主人ってどういう方でしょう。

犬に働く事を教えたのです。

犬は犬で使命感というか、一種のプライドすら持って事に望んでいるようにも
見えるのですからすごいです。

それでいて私が近ずくとすごく喜びもしますし、愛想もよく、非常に優しい犬です。

そして、どんなに遊んでいても、ニワトリから気が離れる事は決してなさそうです。

大小の中学生達も、この犬がいる時は、石も投げられないようです。

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一昨年はクラブの皆さんと秩父札所34ヶ所めぐりを、9ヶ月にわたって行いました。

私は下見を入れますと、この短い期間に都合18回この秩父を訪れました。

来るたびに何かひとつ、秩父の優しいこころにふれることが出来たように思います。

ひとつひとつの思い出を、又、思い出しながら、秩父のあんなこと、こんなことを、
ご紹介できたらと思います。

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2004年11月24日

秩父 武甲温泉

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秩父には数多くの温泉があります。

その人情に似て、素朴で優しくて親切で、その通りの本物の温泉が、
あちらこちらに点在しています。

プッポロがやっています「小さなハイキング」でも、秩父札所34ヶ所めぐりをした際にも、
つとめて帰りには各所の温泉をを探しては、みなさんと立ち寄ったものであります。

そのなかでも、練馬から一番近いのが西武線横瀬駅から、徒歩7分の武甲温泉です。

ここは、秩父最大の開放感いっぱいの野天風呂を持ち、又、それが売りもので、
いつ行っても賑わっています。

平日600円、土日祝日は3時間で700円。

大広間もあり、そばの旨さにも定評があります。

時折、ご覧のミニバイク、可愛い「ゴリラ」で行くプッポロです。


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2004年11月22日

紅葉の多摩川サイクリングコース

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羽村堰附近

今日11月22日東京は雲ひとつない晴天です。

久し振りに自転車に乗ろうと前日から支度だけはしましたが、いざ出掛けようとなると、
つまらぬ雑用があるもので結局家を出たのが午前11時、中野駅まで走り当座は
奥多摩駅まで、890円の切符を買ったものの、立川を過ぎる辺りから、これから
青梅でまた乗換えなどと考えると、奥多摩に着くのが2時頃になってしまいそうだ。

昭島辺りを電車は走っている。

まもなくで羽村になる。

今日はあまりにも家を出るのが遅すぎた。

ここはひとつ予定を変更してまた多摩川にしようと思った。

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多摩川と大きなケヤキ

前回は10月12日に走っている。
11月もなかばを過ぎると多摩川サイクリングコースも紅葉に彩られ、秋真っ只中を
走るこの気分もまた良いものです。

今日は自転車に乗るにはもっとも具合の良い気温で、ポロシャツにサイクルジャケット、
この二枚だけで充分で途中からはそれもポロシャツ一枚になる程の暖かさであります。

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奥多摩の山々の遠望

前回は雨にたたられこのコースは立川で中断したが、今日は一気に登戸まで行き、
もうひとふんばりで二子多摩川まで走ってganさんおすすめの白川のお馴染みの
たこ焼きを目指したものの、小田急線を越えて狛江市に入ったあたりで見事に
日没になってしまいました。

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桜並木の紅葉

たしかにあの白川のたこ焼きはうまいです。

駅前にもまたあちらこちらにありますが少々違うように思います。

それにしても夕方では致し方ありません。

再び砂利道のコースを和泉多摩川駅に戻る事にします。

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雄大な多摩川の流れ

多摩川サイクリングコース全長約55キロと言われますが、登戸あたりが
丁度中間になるのでしょうか。

走れば走るほどこのコースの良さ面白さが分かるような気がします。


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2004年11月19日

オンシジュームの花

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池袋 東武百貨店の地下に「銀座花」という花屋さんがあります。

買い物など用足しをした後、少々遠回りをしても、その季節の花を見たくて、
買うわけでもないのに、ついこのお店に寄るのが、もう長い間の習慣にもなっていました。

洋ランを中心に色とりどりの花が見られ、時には見たことも無いような、変わった花を
見られるのも楽しみなものです。

さすがに品質の良いものが揃っていて、値のはるものが多いですが、
たしかにそれだけの価値がありそうなのは、素人目にも分かります。

そのなかで、隅に追いやられたように、階段の脇の床にオンシジュームが、
3鉢並んでいるのを見つけました。

いわゆる処分品であります。

花の盛りは過ぎたものの、まだまだ満開の真っ最中です。

値段を見ますと1鉢1000円とありまして、前からこれを欲しいと思っていただけに、
迷うことなく手に取り買い求めた事はいうまでもありません。

嬉しくて、嬉しくて、さっそく描いたのが、このオンシジュームのスケッチです。

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オンシジューム スィートシュガー エンゼル

プッポロは今までに、エビネラン、シュンラン、コチヨウランなどを永く育ててきましたが、
とりわけ洋ランが難しいです。

特にコチョウランなどは、花も咲かないのを4年も面倒をみてきて、5年目には枯れました。

そして、このオンシジュームは、我が家に来て2年弱、昨年は咲きませんでしたが、
10月末に初めて花芽が立ち上がってきて、花数は少ないものの、ここにきて
ご覧の通りの花が咲き始めました。

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オンシジュームの花は、ラン特有の大変に珍しい形をしています。

まるで、フランス人形が、空に浮きながら、それぞれに踊っている様にも見える楽しい花です。

3日程前には、何と、2本目の花芽が出てきて、12月初旬には、2本の花が揃って
見られそうです。

その花々の賑わいの様子を、また、ここに、ご紹介できればと思います。

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2004年11月15日

浅草酉の市

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浅草 鷲神社 入り口

子供の頃の酉の市と言うと、今、考えますとやたらに寒かったように思います。

分厚いオーバーを着せられ、えりまきを首にぐるぐる巻きつけて、それでも、
吹き付ける北風が、やたらに冷たく感じたものでした。

それに比べて何で今はこんなに暖かいのでしょう。

昨今の酉の市と言いますと、季節の上では冬の始まりを感じさせますが、
それも名ばかりで、酉の市を歩いている人のなかには、なんとTシャツ一枚なんて
いう人も見られるのです。

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鷲神社 参道

酉の市もあちらこちらで、開かれますが、やはり、ここが本場です。

事あるごとに足を向ける浅草、雑然としたなかにある、浅草ですが何があっても、
私にとっては浅草大事であります。

今年のおとり様、二の酉は11月14日にありました。

JR鶯谷駅から入谷を越えて、まもなくで、この鷲(おおとり)神社入り口です。

この提灯を見ただけで、もうこころ踊り、胸はずむ思いであります。

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商売繁盛熊手売り

境内から始まり、迷路のように入り組んだ、くまで売りのお店が並びます。

その数といったら、数えたことはありませんが、何しろ大変な店数になります。

くまでの、この目まぐるしいまでの、色とりどりの色彩美、絢爛豪華さを競う
作り手の意気込み、見ているだけでも楽しさが味わえるというものです。

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大提灯の数々

参詣者はやはりご近所の人が中心でしょう。

遠くから出かけて来るという人は、何らかのこの地に縁がある人なのかも知れません。

私はこの神社からですと、歩いて3分か4分程のところで生まれました。

この地を離れて随分経ちますが、不思議なものでどこを歩いても迷った事が無いのです。

子供の頃の本能でしょうか。

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鷲神社 正面

酉の市の由来というのを昔聞いた事があります。

江戸時代の頃でありますが、その頃は江戸中、どこだって原野の様なもので、
田んぼが、あちらこちらに、広がっていたようであります。

落語にも出てきますが、入谷田んぼ、吉原田んぼなども、そのひとつであります。

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すき焼きの米久の提灯

そのような原っぱが、江戸の中にあちらこちらに点在していたわけですが、
すると、その原っぱに冬になると、北の国から鳥が越冬しにやって来ます。

10月末ごろからやって来る大きな鳥、小さな鳥、さまざまな種類の鳥がいたと思います。

なかでも鶴、しらさぎなどの大きな鳥は人気があったでしょう。

今度はそれを見に来る人が集まるようになりました。

見に来る人のなかには、餌さを持ってくる人もいたでしょう。

今で言うバードウォチングというものであります。


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今年は熊手が売れています

遠くから来る大きな鳥たちも、10月末から来年の3月までいるわけですが、
鳥のなかには、来ている間に怪我もするでしょうし、また、死んだりするものもいるわけです。

そして、その亡がらを葬むってやったり、石ひとつ置いてあげる人もいたでしょう。

そして、そのうちには、ささやかな祠を作ったり、祭る人々が出るようにもなります。

祠から、今度はお宮になり、それが進み、ひとつの社にまで、発展するようになります。

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鷲神社山門

江戸の中にそういう場所がところどころ見られるようになり、そこが後の大鳥神社と
言われるものになったそうであります。

大きな鳥、鶴、しらさぎ等が、来ていた場所が、大鳥神社の起こりだそうです。

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浅草ならではの賑わい

ただ、浅草の場合は大鳥ではなく、鷲という字を使って鷲神社と言っています。

それらの神社に人が大勢来るようになりますと、今度はそれを目当てに、
その近くに遊郭がその当時出来始めました。

浅草には昔から知られる吉原があり、品川、新宿、そして練馬にも以前あったそうです。

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お祓いの青年たち

鷲神社入り口には、白装束の若いお兄ちゃん二人が、参詣者にお祓いをしています。

神妙な顔つきというか、可愛い顔をして、真剣に祓っています。

白い着物のすそを、ちょいと見たら、足元はアデダスのジョギングシューズでした。

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ひさご通り商店街

ここまでくれば、私としては、夜遅くとも浅草寺にも行かないわけにはいきません。

千束を越えて、このひさご通り商店街を行けば観音様の裏手に出ます。

さすがに人通りも少ない商店街です。

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夜の浅草寺

暗い花やしきの脇を歩いて行きますと、照明に照らされた浅草寺本堂が浮かび上がってきます。

もう、何年ぐらい前からでしょうか、この照明をするようになったのは。

それから、かなり夜遅くにも、参詣する人も、結構いるようであります。

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夜に浮かぶ五重塔

浅草寺本堂、左手にありますのが、この五重塔です。

私の大好きな塔でもあります。

もちろん昼間ですが、この五重塔を今までに何回かスケッチをしていますが、
ここには、大きな銀杏の木が、3本だったか、4本だったかありまして、それを前景に
しますと、また違った風景が展開いたします。

昼間なら、今の季節銀杏の黄色が、大変綺麗な時であります。

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浅草寺正面 この静けさ

本堂の大扉を午後5時に閉めてしまいます。

国際的な観光地としては、夏など日が燦燦とさしている頃に閉めてしまうのは、
いかにも早すぎると、地元の人たちも、浅草寺に陳情したようですが、浅草寺は、
そのかわり夜明けと共に扉は開けているとの返事でした。

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浅草寺山門

この浅草寺の山門は立派です。

ふだん雷門から仲見世を通り、ここまで来ますと、ああ又、観音様に来たなと思います。

夜の10時の観音様も、静かで、綺麗で、また新鮮です。

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仲見世通り

立川談志さんが良く言いますが、「浅草のロックなんか、夕方になると犬しか歩いていないね。

暗くなると、犬も歩いていないよ」、なんていいますが、ある程度はあたっています。

ロックを夜9時半頃通りましたが、ざっと数えて何人と言うくらい、渋谷、新宿、銀座などは、
これから人が出てくると言うくらい、浅草はどうしたら良いのでしょう。

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雷門

酉の市といえば、もう一年のしめくくりの年中行事。

今年は三の酉までありますが、それが終われば、本当に年の暮れを向えます。

このような季節の変わり目を感じさせるような、祭りごとも、何か人にけじめを、
つけさせる様にも思います。

私のふるさと、浅草の酉の市、今年もとりあえず無事に、まずは来る事が出来ました。

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2004年11月12日

秋の終わりの北海道

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支笏湖からの恵庭岳 18cm×15cm

先日、秋の終わりの北海道を、ほんの少々大忙しで回ってきました。

新千歳空港からツアー旅行が始まり、まずは支笏湖から案内をしてくれます。

晴天に恵まれ、気温も程よい感じで、この時期にしては、暖かい穏やかな日でありました。

支笏湖の湖畔から見えます、恵庭岳1320m。

姿形が品が良く、北海道特有の大らかさが望めます。

ツアーのわずかなトイレ休憩の合間に、小さめのスケッチブックに、素早く7分程で
描いたものです。

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昭和新山 34cm×24cm

昭和18年から20年の噴火活動で、生じた標高402mの昭和新山。

最初に写真で見たのはいつ頃だったでしょうか。

初めて見た時から、その異様な形に魅せられ、一度はスケッチをしてみたいと
思っていた山です。

今回、わずかな時間ではありますが、描くチャンスに恵まれましたが、それも描くには
描きましたが、私の手に負える様な山ではありませんでした。

噴火による赤い岩石の色彩美と圧倒する力強さ、これはなかなか出るものでは
ありませんでした。

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洞爺湖からの羊蹄山

ツアー旅行の悲しさ、自分の時間などまず無いと思わないといけませんね。

次から次えと振り回される様なもので、個人で行かない限り、絵を描くことは難しいです。

この洞爺湖には、かなり大きな立派な遊覧船があります。

静かな湖面を行くクルージング、これは素晴らしいですね。

背後には北海道の名山、羊蹄山が望めました。

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小樽運河

二日目は小樽、札幌の自由時間が、多少ありましたが、車中で飲んでしまった
酒が残り、何とも絵を描く気持ちもあればこそ。

「小樽運河」は絵になるところなのに。

ここには何度か来た事がありますが、来る度に思うのですが、本当に良い街ですね。

港町特有の雑然とした所があるかと思えば、東京のお台場なみの、流行最先端を
めざしているところも、見られたり面白い街だと思います。

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北海道庁 旧本庁舎

札幌といえば、まず雪まつりで知られる大通り公園、そして時計台、赤レンガの
愛称でも呼ばれる北海道庁 旧本庁舎などが、思い出されます。

この道庁は明治21年に作られた、アメリカ風ネオバロック様式の建造物であります。

レンガの色と、ドームの色の配色の良さ、そして均整の取れた大変美しい建物です。

現在は無料で一般公開されて、内部の重厚な室内、調度品などを見学する事が出来ます。

連日大勢の観光客が訪れるようです。

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北海道庁

このスケッチは、もう暫く前の1997年に描いたものです。

道庁の近くに宿泊した時、この赤レンガをどうしても描きたくて、朝6時ごろホテルを
ひとり抜け出し、寒さに震えながら描きました。

まだ門は閉じられていて、鉄柵のすき間に顔をくっつける様にして描いたことが、
昨日の事のように思い出されます。

札幌大通り公園では、今、ホワイトクリスマスの飾り付けが、始まりました。

北海道は、まもなく又、あの雪の季節を向えようとしています。

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2004年11月 3日

ひそかな楽しみ

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藤原 謹 作  備前焼 ぐい呑

プッポロには、いろいろな楽しみごとがあります。

山に登るのも好きだし、山に登ってそこで山の絵を描くことも好きです。

歌舞伎を見るのが好きなら、自転車に乗るのも好き、音楽と楽器にも手を出して、
そして、もうひとつ、ひそやかな楽しみがあります。

それが新宿二丁目にあるのです。

といっても、新宿二丁目の、あの例の世界のことではありません。

地味な趣味といわれそうですが、実は焼き物も好きなのです。

とりわけ素朴な、釉薬という薬を使わずに、焼しめてゆくだけの焼き物で、
岡山で知られるおなじみの、あの備前焼。

その備前焼の専門店が、なんと、この新宿二丁目のど真ん中にあるのです。

その手の本屋というか、雑貨やというか、その世界の方の店のお隣に、
この備前焼の窯匠(ようしょう)というお店があるのです。

知人から知らされた、この窯匠に出入りするようになってから、もう随分たちますが、
最初の頃は、小さな小さな花器、それも、1500円程度の物を買っては楽しんでいました。

それから間もなく、ふと又、立ち寄った時に、プッポロの目に留まったのが、
小柄な「ぐい呑」でした。

それは、色艶といい、その輝くばかりの、色の美しさ、茶色がかった明るい
海老茶色と云ったらいいのでしょうか、分けもわからず、見とれたものでした。

ところで、いつも、出入り口近くのレジースターの所には、ここのご主人が
いつも決まって座っています。

80才に近いかなぁと、いつも思っていましたが、痩せ型で、ちょつと神経質そう、
口数も少なく、今まであまり話もしたことが無いのです。

今、目の前にある、その「ぐい呑」は、あきらかにいつも買っている安い物とは違う事が、
プッポロにだってわかります。

欲しいけど値段はいったい幾らぐらいだろう。高いと困るしと、胸がドキドキします。

それにしても、ここの主人とっつきにくいなぁと思いながら。

「あのー すみません これおいくらでしょう 」

座ったまま、さがった眼鏡のレンズの上から、こっちを見つめて、
「そこに かいてあるはずだよ」 とひと言。

「ぐい呑み」の周りをさがすと小さく4000円と値札が立っている。

一個4000円、二個で8000円、あたりまえの事を考えている。

二個で8000円かぁ ということは、一個というわけにはいかない。

家内の分まで、買わなかったら、我が家は大変な事になるのは判っている。

でも二個で8000円はちょつと高いなぁーとも、また思ってしまう。

しかし、この手触り、形といい、色の良さ、手にしっくりとくるこの感じ、欲しいと思う。

「そうだな 買っちゃうかな」

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手の中にあるその「ぐい呑」を、くるくる回しながら眺めているうちに、
ふと気が付いたものがある。

いとじり近くに、ひっかいた様なものがある。

「あのー また すみませんが ここに キズのようなものがあるようなんですが」

口数の少ない店主が、ようやく立ち上がって、

「なにっ  キズだっ 」とそばにやって来ます。

「どれよ どこにあるの」

「ここです ここの下のところの ここにあるでしょ このところなんですが」

「これっ  これのことを いってるの あんた」

人の顔をジーッと見ています。何かいやな予感がします。

口数の少ない静かなおじいさんと、今の今まで思っていた人が、急にばかでかい声で、

「あー あんた !! やだねー あー いやだ !! いやだ !!」

「これがキズだなんて あー いやだ !!   あんたね これっ サインなんだよっ 
これがあるから あんた このぐい呑みの価値があるんじゃないの それを あんた 
キズだなんて あー  いやだ」


「これはね 岡山県の無形文化財の藤原楽山の息子さん 今人気が出てきた
藤原謹さんのものなの 謹さんの あなた これサインなの  それをキズだなんて  
ほんとに  あんた  やんなちゃうなぁ」

もぐもぐ動かす口を見ながら、なんだ、ぜんぜん無口じゃないじゃないか。

「それで どうするの これっ」

まだ、もぐもぐしています。

「いや どうも すみません  これサインなんですか 知らないってしょうがないですね 
 ええ あのー ふたつ頂きます」

「ふたつ ふたつだと あんた いくらになる」 

「えっ えーふたつだと  8000円になります」

「ああっ そうかね」 ってなんだ。

一万円札を差し出すと、

「そこによー  消費税入れてよ  おつりは幾らになるかあんた 自分で計算してよ」

「えーっと 8000円で 消費税5パーセントで 400円で 合わせて8400円  
おつりは  1600円 じゃないかと思います」

「あーそうかい  そりゃよかったね」 って 一体なんだ。


上の写真の「ぐい呑」、いまプッポロの、一番のお気に入りであります。

金沢の銘酒「黒帯」などを、これで頂きますと、ことのほか、美味であります。

「窯匠」のご主人、その後、二度とお目に掛かることはありませんでした。


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